帝人フロンティアの人々
働きたいフィールドは、すべて行動の先にある
工繊・車輛資材本部 車輛資材部
内装資材課
保坂 光熙
カーシートやカーシェードなど、車の内装に関わる製品の営業を担当。日本各地の生産工場へ赴き、生地の選定、仕入れ、加工などの生産管理から製品の品質管理まで幅広く対応している。
WHAT‘S YOUR FRONTIER?
帝人フロンティアは繊維専門商社ですが、私自身は学生の頃イメージしていたような、いわゆる「商社パーソン」のイメージとはかけ離れた業務をやっている方かもしれません。
海外とのスマートな取引もなければ、新しい技術を次々に提案しているようなこともありません。日々、お客様の要望を調整、説得、交渉…の繰り返し。
人に話せるようなカッコいい経験談や成し遂げたビッグプロジェクトこそありませんが、そこが自分の強みだとも感じています。
「THE商社パーソン」を目指さなかった私がたどり着いた、帝人フロンティアでの新境地。
それは、あるピンチから始まりました。
突然託された数万件の不良品検品
なんとかするには…?
車輛資材の営業といっても、メーカーと商社、両方の顔を持つ帝人フロンティアでの業務の幅は広く、生地になる糸を仕入れるところからになります。仕入れた糸は取引先の工場で編んでもらい、出来上がった生地をまた買って、染め工程の工場へ再委託。ロールの反物になったら販売します。そのような一連の工程を管理することが主な仕事ですね。価格の交渉なんかもその中に入ってきます。ただ、そこで終わりではなく、出来上がった製品の品質管理もやっています。不具合があった製品は返品されてくるわけですが、原因がどの工程にあるのか分析して、改良するんです。営業とはいえ、技術寄りの知識が求められることもよくありますね。帝人フロンティアには技術職の社員もいますので、連携を密に取りながら対応しています。
そんな中で印象に残っている出来事があったのですが、2年目の春のことでした。休日にもかかわらず、お客様から一本の電話が入ったんです。納品したカーシートに、ほんの1~2ミリほどのシミ汚れが付いており、何の汚れかわからないから一度工場へ行って選別してくれないか、と。このお客様はもともと先輩が担当していたのですが、私が後任になった矢先のことでした。そんなタイミングで訪れたピンチに一瞬戸惑いましたが、上司に普段から言われていた「メールよりも電話で、電話よりも会いに行きなさい」という言葉を思い出し、すぐに三重の工場へと向かいました。そのまま一週間ほどかけて、製品のパーツ工場を一軒一軒、工程の下流から確認していきました。
万単位におよぶ数の部品確認は、一週間張り付いても私だけではとても終わりきれず、業務の担当でない課員や工場の皆さんにも応援を要請して、なんとか規定量の納品までやりきることができましたが、スムーズとは言えなかったですね。いざ現場へ急行したはいいものの商品知識も乏しい、お客様とも引継ぎの挨拶程度の関係でしたから、誰を頼ってどう進めたらいいのか、全くわからなかったんです。まずは各工場の1週間のスケジュールを調整することからやっていきましたが、不具合=工場にとってもイレギュラーな業務になるわけで、アポを調整するところから難儀しました。普段顔を出さない取引先相手だと、「こんな時だけ…」と渋い顔をされたりもして。辛いなあと思うこともありましたが、日頃からわからないことは上司に相談するようにしていたので、アドバイスをもらうごとに考えを軌道修正しながら進めていきました。
たくさんの壁にぶつかりましたが、わからないなりに立ち止まらなかったことはよかったと思っていて、そういう愚直な姿を見てもらえていたのか、関係者のみなさんも次第に協力的になっていってくれた気がします。当時はテクニックも知識もなかったので、レスポンスを早くするとか、人一倍礼儀正しくするとか、今の自分にできることの限りを尽くしましたね。こんな大変な状況を2年目の自分が任されていいのか?という気持ちもありましたが、とにかくプレッシャーに負けたくなかったんです。先輩にそれだけ信頼してもらえているんだなという嬉しさもありました。同時に、精一杯やった結果もし駄目でも、先輩なら助けてくれるという心強さもありましたね。実際に遠隔ではかなり助けてもらいましたが、現場は一人でやり遂げることができた初めての経験だったので、自信がつきました。
商社らしくなくてもいい
いろんな人がいて、高めあえる環境だから面白い
帝人フロンティア全体に言えることですが、先輩・後輩や職種に関わらず仕事への意識を高く持っている社員が多いなと感じます。私も新人の時から「こう思う」「こうしたい」というアウトプットは意識的にやるようにしてきました。下手でもいいと思うんですよ。自分の頭で考えて発信して、指摘をもらって…それを繰り返して成長できる企業文化は、特徴の一つではないでしょうか。経験が浅くても、日々の信頼関係によってチャンスを与えてもらえる環境です。かといって突き放されるのではなく、フォロー体制もちゃんと考えてくれているので、その点は心強いですよね。よく学生の方から「会社の弱いところやネガティブなところは何ですか?」と質問を受けることがありますが、今のところはあまり浮かばないですね。私には華やかなエピソードこそありませんが、頑張った分は着実に力になっている実感があります。
もともと私自身は、商社パーソンになりたいと思って帝人フロンティアを選んだわけではないんですよ。学生時代にアパレル販売員のアルバイトをしていたので、就職活動もアパレル系のメーカーを色々と見ていたのですが、自分がいいと思っていない商品も人に勧めなければならないようなシチュエーションを考えた時に、ピンとこなくなってしまって。いっそ原料から提案できるところだと面白いのかも、と思っていて出会ったのが今の会社でした。商社とメーカーが一緒になった会社ということもあって、私みたいに商社パーソンっぽくない人もいますし、熱い人や優しい人、とにかくいろんな人がいるので刺激は多いです。
業界の未来を担う期待を胸に、世界へ目を向けて
自動車業界は、50、60代のベテラン技術者中心の企業が支えていると言っても過言ではありません。
帝人フロンティアとしても、技術的な面で業界を盛り上げることには力を入れていますが、車内空間をいかに快適にさせるかは、多くの企業がテーマとしています。そんなベテラン世代の社長と商談させていただく機会も多いのですが、「自分は昔の人間だからできない」なんて人は一人もいなくて、時代の変化に立ち向かう熱い気持ちを持っていらっしゃる方ばかりなんです。私自身も変化する時代に柔軟に対応するためにはどうすべきなのかということをすごく考えるようになりました。
そういった意味でも、一度は海外で働いてみたいという思いがあり、直近の目標にしています。海外の各拠点にも車輛資材部があるので、世界の自動車市場で、特に中国で商売をやってみたいですね。日本のメーカーにとって、中国の生産ラインは今後需要が高まると思いますし、今は現地法人同士でやっているところを徐々に開拓していけたらなと思っています。インドやアフリカ圏にも言えますが、発展途上国だったところが力を伸ばしてきているので、さらに注目していきたいですね。
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