帝人フロンティアのプロジェクト
子どもとともに組織も育つ「育児休職」
仕事と家庭のバランスを考えることで見えてきたもの
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WHAT‘S YOUR FRONTIER?
仕事も家庭も大切にしたい。
帝人フロンティアでは男性・女性に限らず、一人ひとりのライフステージに応えられるような、ワークライフバランスを実現できる環境作りを推進しています。
「出産」「育児」というライフイベントだけでなく、コロナ禍による在宅ワークの導入によっても、働き方は大きく変わりました。
男性で育児休職制度を利用した二人が自らの経験を語り合います。
※対談内容は2021年9月時点のものです。 -
PROJECTS MEMBER
衣料素材本部 テキスタイル第一部 第二課山崎 竜夜
衣料製品第二本部 大阪衣料第一部 第一課盛 暁慶
状況に合わせて取得の形を決めてOK
- 山崎
- 一人目が生まれるタイミングでマイホームを建てようと、住宅メーカーと打ち合わせをしていた時のことなのですが、そこでご紹介いただいたファイナンシャルプランナーの方に、「育休を数日でも取ることで、社会保険料が優遇される仕組みがあるんですよ」と教えていただいたんです。
それまで育休を取るつもりはなかったのですが、数日だったら仕事にも支障は出ないですし、一度相談してみようと思ったのがきっかけです。すぐに上司へ相談して、年末年始の長期休暇に、プラスして育児休職とする形で取得することになりました。
- 盛
- 私の方はやや深刻な理由で、妻が体調不良で出産予定日より大分前倒しで入院していたんです。出産後も体調が優れず悩まされている中、コロナ禍で全く面会できない状態が続いていました。
医師からも「なるべく安静に」と言われていたので、なんとかして家庭環境を整えないと…と焦っていましたね。そうして育児休職についても調べ始めているうちに、男性でも取得できるということを知ったんです。
上司に相談して、1ヶ月かけて業務引継ぎを行ったあとすぐに3ヶ月間の育児休職を取得しました。
ネガティブな人はいない時代になったんだとホッとしました
- 山崎
- 上司には自然に話を聞いてもらえました。特に驚かれることもなく、「優遇があるなら受けるべき」という前向きな理解を示してもらえました。
- 盛
- 私もです。休んでいる間の業務は主に課長が引き継いでくれたのですが、迅速に動いてくれてとても心強かったですね。理解のうえでサポートしていただいているんだと感じました。
- 山崎
- そういう意味では普段から相談しやすい環境が出来上がっていてありがたかったですね。人事がニュースや制度について日々情報発信してくれていたので、気軽に聞いてみようと思えました。
- 盛
- 確かに。私が取得した後すぐ、社内のイントラに「男性も育休が取れますよ」というアピールのメッセージが全体向けに入っていて嬉しかったです。人事も同じ考え方でいてくれているんだなと。
- 山崎
- それはいいことですね。
優遇制度についても知っている人がほとんどいなかったのですが、周りからも「すごくいい制度だね」と言ってもらえて嬉しかったです。家族にも報告しましたが、私に対してというより、そういう雰囲気の会社っていいよねという反応の方が大きかったです。
- 盛
- 私はまだ取得が決まっていない段階から家族と話し合っていましたが、義理の母は半信半疑でしたね。「本当に育休なんて取れるの?」と。いざ取得できることになった時は、とても喜んでくれました。「社会は変わったんだね、男性も休みが取れるんだね」と、感心していましたね。
- 山崎
- 基本、ネガティブに思う人っていないですよね。昔のイメージだと、そんなに休みをとってしまったら会社に戻れないんじゃないの?って思われたかもしれないですが。
- 盛
- まだまだ新しいことですからね。正直、言いづらさがまったくなかったと言ったら嘘になります。周りからどう思われるか、仕事に支障は出ないか、悩んだ部分もありました。しかし人生の優先順位を考えて思い切って伝えてみて、結果的にはよかったです。
一変した生活の中で見出すことができた、時間との向き合い方
- 山崎
- 年末年始休暇とあわせてトータル2週間ほど休みました。
子どもは3ヶ月くらいでまだまだ手がかかる時期だったんですが、家族とゆっくり向き合う時間が作れたなと感じます。また、コロナ禍で在宅勤務も会社全体として当たり前になっている中で、休憩時間などに子どもを見ながら働けるので、自分としてはタイミングが良かったなと思っています。
社会全体はネガティブな雰囲気ではありますが、そのおかげで在宅勤務が普及して、結果的に子どもと過ごす時間を増やせたので、私にとってはポジティブな面も多かったかなと。
- 盛
- 私の場合は3ヶ月お休みを頂きました。妻の体調が回復するまでは、私もしっかり子どもを見るようにしていました。2時間おきにミルクをあげたりおむつを替えたり…夜もほとんどまともに眠れないですよね(笑)
- 山崎
- 自分の時間は確実になくなりますよね。子どもがいる以上は、夫婦のどちらかが絶対に見ていないといけないですし、どちらかに任せきりにすることもできないですもんね。
ただ、その分子どもと触れあえて、成長を目の前で見られるというのは本当にありがたいなと思います。
- 盛
- 在宅勤務になって、時間の使い方は大きく変わりましたよね。
- 山崎
- そうですね。あとは奥さんとの協力関係、距離感も大事ですよね。「今はドラマ見てるな、話しかけちゃダメだな」とかね(笑)同じ空間で一日中過ごしていると、お互いの大事な時間は尊重しようと思えるようになりました。
- 盛
- 大事なことですね。
私は在宅勤務になってから、仕事一つひとつに対して優先順位を付ける意識ができるようになったと思います。今までは全ての仕事に全力でこだわってやっていた部分があったのですが、その方法では家庭のことまでやっている時間の余裕がありません。こだわるべきところと力を抜いていいところを見極めようとする意識が出てきたんじゃないかと思いますね。それくらい、子どもがいる生活って一変しますから。
- 山崎
- かなり変わりますよね。私も盛さんと同じで、メール一つとってもできるだけやりとりを減らす意識はしています。お客様から返ってくる質問をある程度予想したうえで、まとめて提案しておくとかね。あとは、実際に生地を見ないとできない仕事も多いので、そういったことをなるべく出社の日にまとめてやるようにしています。逆に在宅勤務時は売上予想や情報収集に集中します。
盛さんは仕事の優先順位をつける中で、特に支障は出ませんでしたか?
- 盛
- 特にはないですね。確かにそういう瞬間もありましたが、思い切ってやってみたことで、こうやればこうなるんだという新しい気づきも得られたのでよかったかな。
育休を取ることに特別感はなくていい
ごく自然なライフイベントとして活用できる環境に
- 山崎
- 理想を言えば仕事と家庭の状況、全てが切りのいいタイミングで取得したいものですが、なかなかそうはいかないと思うので、どうすり合わせていくかだと思います。
その一つとして、今自分にしかできない仕事を、ほかの人ができるようにするための体制づくりですよね。例えば、扱っている商品があるとしたら誰が見てもわかるような資料を作っておくとか。でも、そんな時間すらない場合もありますけどね。
- 盛
- まさしくその通り。だから取ろうかなと意識し始めたときに、もう具体的に動き出した方がいい。私はその点で初動が早くなかったので、復帰してから大変な部分もありました。
- 山崎
- 私の場合は、弊害はほどんどなく職場の雰囲気も変わりはなかったですが、盛さんは大変だったんじゃないですか。
- 盛
- そうですね。やはり不安ではあったので、休職中もメールは全部読むようにしていました。直接対応するわけではないですが、把握はしておこうと考えていましたね。そういった意味では大きな弊害はなく復帰できたかなとは思います。
また、今後取得を考えられている方にとって、期間をどのくらいにするかは大きなポイントだと思います。長く休めるといっても、復帰後のやりやすさとのバランスは自身の仕事内容をふまえて考慮した方がいいですね。
- 山崎
- そうですね。育児休職取得を通して、日頃から休みを取りやすい体制を作っておくことも大事だなと考えるようになりましたね。また育休を取らせてもらう機会があるなら、盛さんくらい長い期間を取ってみたいなとは思います。
- 盛
- そういう意識の人が増えていくことによって、組織全体の成長に繋がっていくんじゃないでしょうか。
先日もチームの後輩から、「盛さんが取ったから、次の方も取りやすくなりますよね」って言ってもらえたんですよ。そういう考え方がもっと広がっていくといいなと思います。
- 山崎
- そう思います。
- 盛
- 男性の育休取得率はまだまだ低いですし、時間もかかると思いますが、会社の雰囲気と体制も大きく関係してくるものですよね。ただせっかくあるわけだから、やっぱり取れるものは取っていってほしいなと、私は思いますね。
- 山崎
- そうですよね。私は、「男性だから頑張って育休を取るんだ」という考えはあまり好きではなくて、権利なんだから使うのは当たり前じゃない?という感じで考えているんですけどね。
- 盛
- よくわかります。
- 山崎
- でもこうして注目してもらうことで雰囲気がよりポジティブになるのはよいことだと思いますし、取っている人が偉いということもないと思います。
お金の優遇の面においても利用するメリットは大いにあるので、それが目的になってしまうのはまた違うかもしれませんが、もっと身近なものとして考えてよいと思います。
そういうメリットもあるうえで、子どもと過ごす時間も増やせますからね。それが当たり前になれば、みんなもっと働きやすくなるんじゃないでしょうか。
- 盛
- そう思います。これから日本は少子化も顕著になってきて、こういった流れも今後強くなっていくと思いますし、新しいことを取り入れて、きちんと制度にして社員に利用してもらえる雰囲気はとてもよいと思います。人生のバランスを大切にしたいと思われる方は、帝人フロンティアも一つの選択肢になり得るのかなと思います。
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